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影響力の心理学

禁止は抑制にならない!?心理学の「シロクマ効果」を解説

投稿日:2020年2月11日 更新日:


こんにちは、心理学ライターのshinです。あなたは他の人に何かをしてほしくない時どのようにしてそれを実現しようとしますか?

例えばあなたは恋人に対して他の異性との連絡は取らないでなどと強く言ったけれど失敗してしまった、またはダイエット中だからチョコレートは食べてはいけないと思えば思うほどチョコレートが頭から離れず結局は食べてしまったなんて経験はないでしょうか?

こういった特定の行動を他の人に禁止させる、もしくは自分自身に禁止することはよく失敗しますがなぜか使われますしもしかしたら効果があるんじゃないかと思っている人も多いかもしれません。

本当に物事を禁止したり制限することは少しは効果があるのでしょうか?

答えは全くのノーです。これを示す代表的な実験があるので紹介します。

禁止は全くの逆効果になるかも!?


1980年台なかばにハーバード大学の心理学者ダニエル・ウェグナーによって実施された簡単な実験で参加者に一人ずつ部屋に入ってもらい”白いクマ”について考えないように指示し、もし禁止された白いクマが浮かんだらベルを押してもらうように頼みました。

するとその結果、実験が始まってからすぐにベルの音がそこらじゅうから鳴りました。

つまり白いクマについて考えるなと言われた参加者たちは余計にそれについて考えてしまったのです。


別の2006年に行われた研究では参加者全員に自分の欠点を書き出してもらい半数の人には欠点のことを考えないように伝え、もう半分には何も言わず普通に生活してもらいました。

その結果、やはりシロクマ実験とほぼ同様に自分の欠点を考えないように意識したグループの方がふだんよりも欠点について考えちゃってたんですよ。

まとめ

この二つの実験からもわかるように人は思考や行動を禁止されるとかえってそのことについて考えてしまったり、その行動をとりたくなってしまうということなんですね。

これを心理学では「カリギュラ効果」または別名「シロクマ効果」と言います。


なので親が子供に対してゲームを取り上げたりする光景が浮かびましたがこれは完全に逆効果なわけです。


じゃあどうすればいいのかっていうと他の人の行動に対しては自分の感情を乗せて注意するっていうのも割と効果的だと思いますね。

例えば、、「絶対浮気しないでね」を「私は浮気されるのが悲しい」

などと言い換えて見るだけでもいいかもしれませんね

自分が誘惑に負けそうになった時にも「〜してはいけない」と思うのではなく、客観的に自分を見つめて「あ、誘惑に負けそうだな」と分析してみると冷静になれるので効果的かもって感じです。


という感じで「シロクマ効果」を知っておくだけでもかなり役に立ちますのでぜひ気をつけて生活してみてくださいな〜

参考文献:その科学が成功を決める

-影響力の心理学

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