こんにちは、心理学ライターのshinです。
今や私たちの生活に欠かせないものとなっているのがSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)ですよね。
特に日本でよく使われるものでいうとtwitterやInstagramあたりが主流です。
SNSは普段では出会うことの出来ない人と繋いでくれたり、物理的に離れている友達とも心理的に近くに感じさせてくれるなど私たちの生活を便利なものにしてくれました。
その一方で、多くの人がすでに気づいているようにSNSには様々なよろしくない副作用があります。
最も共感してもらいやすいのが、SNSには中毒性があっていつでもどこでもSNSをみてしまって多くの時間を浪費してしまったという経験ですよね。
あとは他の人のSNSと自分のSNSを比較することによって、劣等感を抱いてしまうことなども挙げられます。
この辺りは自覚症状があるので、ある程度はコントロールが出来ます。
しかし、SNSを使う時の副作用として意外と知られていないものがあるんです。
その副作用とは、実は私たちは知らない間にSNSに感情を振り回されている、ということです。
これではなんのことかさっぱりだと思うので、Facebookを使った2012年に行われた実験を見てみましょう。
知らず知らずのうちに自分の感情がSNSに乗っ取られている!?
Facebookの研究チームは2012年の1月に50万人を越えるユーザーを対象に面白い実験を行いました。
その実験のためにFacebookはこの50万人を越えるユーザーのニュースフィードを以下のように操作しました。
あるユーザー群にはポジティブな投稿
別のユーザー群にはネガティブな投稿
がそれぞれ多く投稿されるようにし、そしてその後のユーザーの投稿を分析しました。
この結果、ポジティブな投稿を多く見たユーザーは、自分も肯定的内容を投稿することが多く、逆にネガティブな投稿を多く見た場合、否定的な投稿をすることが多くなったのです。
なお、この実験は事前にユーザーに通知されておらず、悪評を招きました。
その2年後に、別の研究グループがtwitterを利用して同じ現象を再現するために実験を行いました。
しかし、この実験ではFacebookの時の倫理的な問題を考慮し、観察に徹することになりました。
これにより因果関係を特定するのは不可能でしたが、それでもほとんど同じような結論が出ました。
ユーザーが前向きな投稿をする直前のタイムラインには、ネガティブななツイートよりもポジティブなものの方が4%も多く、否定的な投稿をするときはポジティブなツイートよりもネガティブなものが4%も多いということがわかりました。
まとめ
つまり、この研究からわかることは私たちの感情はSNSの他人の投稿に多大な影響を受けている可能性が高いってことです。
例えば、朝にツイッターで他の人が不倫をした芸能人に対して叩いている投稿を見てしまったら、あまりいい気分にはならないですよね?
こういった感情を揺さぶるものがSNS上では頻繁にあるってことです。
これを聞くと、自分は他人のツイートぐらいで気分が変わったりしないよと考える人がいるかもしれませんが、これは完全に自信過剰です。
私たちの感情というのは自分たちで思っているよりも周りの人の感情の影響を受けやすいものなんです。
対面でのコミュニケーションでは相手の感情に影響を受けやすいことがわかっていますが、この傾向がオンラインでも確認されたということは大きな発見といっていいと思います。
これは決してSNSに限った話ではなく、ニュースサイトなんかもネガティブなものが多かったりするのであまり良くないでしょう。
というわけで、本当に大切な感情を守るためにも、SNSやニュースサイトの使い方を考え直してみてはいかがでしょうか。
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