こんにちは、心理学ライターのshinです。
あなたは大事なプレゼンテーションの前や、試験の前のような緊張する場面でどのようにして自信をつけますか?
この答えの中で多くの人が行いがちで、自己啓発本にも書かれている方法が自己暗示によって自分自身を奮い立たせるということです。
たとえば、新しい企画を提案するプレゼンテーションの前に「俺ならできる、俺なら成功させられる」と自己暗示して自分を奮い立たせるわけです。
この他にもネガティブなセルフトークもあり、「俺にはできない、不可能だ」と考える人もいるでしょう。
この二つを比べると明らかにポジティブな(俺ならできる)セルフトークの方がネガティブなセルフトークよりもいいというのはわかるでしょうし、これは実際に社会科学の分野で証明されています。
ところが、このポジティブな自己暗示よりも効果的な方法があることが社会科学の実験によりわかっています。
それはどんなものだと思いますか?
答えは、ポジティブな自己暗示を疑問文にすることです。
実は「疑問文形式のセルフトーク」がポジティブな自己暗示よりも効果的であることが研究によって判明しています。
「自分ならできるかな?」が成功の近道!?
イリノイ大学のイブラヒム・シネイ、ドロレス・アルバラチン、南ミシシッピー大学のケンジ・ノグチら3人の研究者が「疑問型セルフトークの有効性について調べました。
ある実験で、参加者に10個のアナグラム(言葉遊びの一種)に取り組んでもらいました。
たとえば、[when](いつ)という単語のアルファベット順序を変えて、[hewn](きりたおした)という綴りに変えるなどです。
この時、参加者は2つのグループに分けられ、各グループに全く同じ条件を与えましたが、問題に取り組む前の1分だけ違うことを行ってもらいました。
研究者は片方のグループにはこのアナグラムを解けるかについて自らに「質問」をするように指示しました。
他方のグループには自分がアナグラムが解けると「言い聞かせる」(自己暗示に近い)ように指示しました。
そして2つのグループを比べた結果、「質問」したグループは「言い聞かせた」グループよりも平均で50%も多くのアナグラムを解いていたのです。
もう1つの実験でも同じように、自問形式のセルフトークについての紙に書いた人が、自らを奮い立たせる断定的なセルフトークを書いた人よりも2倍近くの問題を解いたことがわかりました。
まとめ
つまり、自分自身を奮い立たせる自己暗示的なセルフトークよりも疑問文形式のセルフトークの方が圧倒的に効果が高いことがわかったのです。
「私ならできる」と言い聞かせるのと「私ならできるかな?」と質問するというほんのわずかな違いでこれだけの差が出るのはびっくりします。
ではなぜここまで「疑問文形式のセルフトーク」が効果的なのでしょうか?
その理由は2つあるとされています。
1つは疑問文という形式なので答えを引き出す役目を果たしているからだと言われています。
私は、疑問文に答えて「私ならできる、なぜなら〜」と理由を探すことができ、これが自己肯定感に繋がるのではないかと考えています。
2つ目の理由は「疑問文形式のセルフトーク」は自発的で内発的な動機づけに繋がるからです。
断定的なセルフトークは動機をうやむやにしてしまいますが、疑問文にすることで行動の選択が自分の内部から生じていることを思い出させてくれるのです。
この2つの理由から古典的に信じられている断定的なセルフトーク(私ならできる)よりも疑問文形式のセルフトークが効果的だと言えるわけです。
それにしても自己啓発はことごとく否定されますね〜(笑)
というわけで、勝負事の際には「私はできる」ではなく「私はできるかな?」という疑問形式のセルフトークを使ってみてはいかがでしょうか。
じゃあまたね〜。
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