こんにちは、心理学ライターのshinです。
今回はタイトルの通り「夢のマイホーム」を買うと本当に幸せになるのかを心理学的に解説していきたいと思います。
おそらく、一度は誰でも夢を見るのが幸せな家庭を築くということでしょう。
この幸せな未来を想像するときに絶対に欠かせないものといえば、マイホームなのではないでしょうか?
生涯一緒にいたいと思うパートナーと子供と夢のマイホームで暮らすというのが幸せだという考えは一般的だと思います。
この傾向はなにも日本だけではありません。
2011年の全米の世論調査によると、アメリカ人のおよそ9割が家を所有することはアメリカン・ドリームの大事な要素だと答えたそうです。
では、マイホームを夢見るのは一般的な日本人だけではなかったとわかったところでこの疑問が湧いてきます。
マイホームや今の家より良い家を買うことによって私たちの幸福度は確実に高まるのでしょうか?
答えは、、残念ながらノーです。
実は、マイホームや今よりも良い家を買うことで幸福が増すという証拠がほどんどないと言われています。
「夢のマイホーム」はただの神話であった!?
関西学院大学の中里直樹らのグループがドイツで1991年から2007年にかけて行なった調査があります。
彼らは前の家に不満のあったために新しい家に引っ越した3658人を追跡調査をして満足度や幸福度などを調べました。
引っ越した直後には彼らは新しい家の方がはるかに満足度が高いと答えていました。
人間には順応(新しいものに慣れる)という性質があり多少は新しい家への満足感は薄れるものの、その後5年間は古い家に住んでいた時よりも高いことがわかりました。
おっと、じゃあより良い家に引っ越すことはいいことじゃないか、と思われるかもしれませんが面白いのはここからです。
引っ越すと新しい家そのものに対しての満足感はかなり上がりますが、人生に対する満足感、言いかえると全体的な幸福度は全く向上してしていなかったのです。
この研究者たちは以下の2つの理由からより良い家に住むことと人生への満足度が関係がないと教えてくれています。
1、家は人生の満足度に対して小さな貢献しかしていないこと
2、より良い家に住むことによって得られるポジティブな感情は引っ越しにかかる大きな費用によって弱まること
ということだそうで、コストの面がいい気分を相殺するっていうのは面白いですね。
また、ペンシルベニア大学のグレース・ウォン・ブッチアネーリ教授がオハイオ州に住む600人以上の女性を対象にした研究もあります。
やはり、この研究でもマイホーム所有者は賃貸住宅に住む人々よりも幸福であるとは言えないということがわかっています。
さらに面白いのが、マイホーム所有者の方が体重が6キロ重いということがわかったそうです。(これがマイホームを買うと太ると言えるのかはわかりませんが、、)
まとめ
つまり、「夢のマイホーム」が必ずしも人生全体の満足度(幸福度)に直結するとは限らないということなのです。
私たちはしばしば自分の愛する家族とマイホームがあれば、一生幸せに暮らせるのではないかと考えがちです。
たしかに、良い人間関係は人生の満足度を左右する最も重要な要素ではありますから、素敵な家族を持つことは間違いなく人生の満足度を高めてくれます。
しかしながら、マイホームの購入を購入できれば、人生は万事幸せだろうと思うのは考えが甘いかもしれないよってことです。
ここで注意して欲しいのは家を買うことが必ずしも悪いことではないということです。(幸福を目的にすると危ないかもしれませんが)
さらに、人はモノを買うよりも経験を買う方が幸せになるというのは心理学では有名な話でもあります。(一度過去に記事にも書いています)
これらから考察すると、マイホームが家族の仲を深めて、なおかつ将来的にいい思い出を思い出すキッカケとして機能するのであれば十分に幸福度を高めてくれる可能性があると言えるでしょう。
というわけで「夢のマイホーム」を買えば幸せになるという考え方は一旦捨てて、慎重に考えてみてはいががでしょうか。
じゃあまたね〜。
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