こんにちは、心理学ライターのshinです。
心理学ではバイアスが私たちの判断を歪めますよってことは定番中の定番でして、過去の記事でも「確証バイアス」について詳しく書きました。
バイアスっていうのはもともと人間に備わっている機能なんで努力しても完全に取り除くことはかなりの難題と言えます。
今回はどのようなタイプの人がよりバイアスに引っかかりやすいのかって話をしたいと思います。
ではどのような人がバイアスに引っかかりやすいんでしょう?
実は、これはかなり意外な答えなんですが、賢い人ほど情報を歪めて捉えやすいということがわかっているんです。(!?)
知的な人ほど情報に対して間違った考えを持ってしまう!?
オレゴン大学のポール・スロビッチら4人の研究者は、アメリカ全土から集めた1111人の参加者に対してオンライン上で課題を行なってもらいました。
まずはじめに参加者の数量に関する能力や論理的思考を測るために、一連の標準的なテストを行いました。
その後に二種類のデータ群を参加者に提示しました。
1つ目が「新しい発疹用のクリームの性能についての研究結果と称されたもので、参加者は発疹用のクリームが患者の肌を改善させているかの判断を求められました。
2つ目はいくつかの都市での犯罪の統計をまとめたもので、参加者は「ある市では銃を携帯するのを法律で禁止するかを判断しかねています。」と指示を受けました。
参加者はデータを検証してこの法律が犯罪を増加させるのか、減少させるのかを判断を求められました。ちなみにこの2つの問題には実は全く同じデータが使われています。
この実験より2つの結果が得られました。
まず1つ目の結果は、参加者は銃規制よりもスキンクリームのデータの方が正確に分析していました。
これは参加者は新しいクリームについてはあまり興味がなかったのに対して、銃規制の問題については自身にそれぞれ熱い思いを持っていました。
このような情熱が客観的で合理的な分析を妨げたということです。
しかしこの実験で最も大切なのはこの次の結果です。
数学に強かった分析的な思考の持ち主は、「銃規制が犯罪を減少させるのか?」という問いに、最も正確に答えられなかったのです。
まとめ
ここからわかることは、正確に分析できるはずの人ほど情報を歪めて捉える傾向があるということです。
私たちは自分の意見にあった情報ばっかりを集めてしまう人は知性の低い人だと思いこんでいます。
しかし実際のところ、むしろ知性や分析能力が高い人ほどこの心理的なバイアスの罠に引っかかりやすいことをこの研究が証明しています。
もしあなたが、IQが平均よりも高かったり、周りの人よりも勉強ができたとしてもこの認知的なバイアスには必ずといっていいほど引っかかってしまいます。
それどころかその知性を使って積極的に情報を歪めてしまう可能性さえあるわけです。
というわけでバイアスはどんな人にも避けられないものだと理解して、対策を取ってみてはいかがでしょうか。
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