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相手の視点を見落としてしまう「天才が陥るジレンマ」がこちら

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こんにちは、shinです。

今回は「天才プレイヤーが陥るジレンマ」というテーマでお届けしたいと思います。

まず、前提としてこの時のマネージャーという言葉はあくまで管理する人やリーダーシップを取る人という意味で使っています。

薄々、多くの人は気づいているかもしれませんが、優れたプレイヤーが優れたリーダになれないということがよくあります。

例えば、営業でトップの成績を残していた人がマネージャーになっていまいちチームをまとめられていないとか。

もっとわかりやすいのが部活動ですよね。

自分がやっていた部活動を思い出してもらうとわかりやすいと思いますが、必ずしも一番上手い人がキャプテンやリーダーの素質があったかはちょっと微妙なところなのではないでしょうか。

この一流プレイヤーが抱えるジレンマを考えるときにふと思ったのが、教育についてです。

「東大生や京大生の方が教えるのに苦労する」

このような言葉を聞いたことがあります。

ここはけっこう本質的だなあと思っています。

ジレンマを生み出す「知の呪縛」の正体

なぜ、最も営業を理解しているはずのトップセールスでもマネジメントに失敗するのか。
なぜ、サッカーが一番上手い奴が、教えることが下手なのか。
なぜ、東大京大生がいい教師になることができないのか。

これに対する答え、それは優秀なプレイヤーはうまく出来すぎるが故に相手の心を理解出来ないということです。

スタンフォード大学の研究生が行った実験を簡単に紹介します。

この実験では被験者を「叩き役」と「聞き手役」に割り振りました。

その後「叩き手役」には誰でも知っている歌(誕生日の歌など)のリストをもらってその中から一曲を選び、指で机を叩いてリズムを刻みます。

「聞き手」は単純にどの曲を奏でているのかを当てるというシンプルなものです。

この実験で叩き手は120曲のリズムを叩いたうち、聞き手役がわかったのは僅かに3曲でこれをパーセントで表すとわずか2.5%でした。

しかし、驚くのはここからで叩き役が予想した正答率がなんと50%だったのです。


つまり、叩き手は聞き手が2曲に1曲はわかると思っていたのに対して、実際には40曲に1曲しかわからなかったのです。

では、叩き手と聞き手との間で何が起こっていたのでしょうか。

叩き手は頭の中でリズムを刻んでいます。そのため机を叩いたリズムで相手も同じようにわかるだろうと錯覚してしまいます。

一方で、聞き手は頭の中でリズムを取ることができないので、机を叩く味気のないリズムだけを頼りにしなければなりません。

この頭の中の知識の格差を叩き役は考慮できないのです。このことを心理学で「知の呪縛」と呼んでいます。

「知の呪縛」が天才を苦しめる


この「知の呪縛」と同じことが天才と呼ばれる人たちにも起こります。

センスのいい人は暗黙知を持っていてそれが自分でも説明ができないことがしばしばあります。

例えば、トップのセールスマンは売れないセールスマンがなぜ自分と同じことができないのか理解ができないことがあります。

なぜ東大生、京大生が必ずしもいい先生になることができないかも同じように説明できます。

彼らは、解き方がわからない子供達がなぜわからないのかがわからないのです。

もし、わからないなりに寄り添えるような思いやりのある人ならいいですが、それでも相手の気持ちを理解できないため、良いアドバイスも送れません。

これは優秀であればあるほど、できない人の気持ちがわからなくなる可能性が高くなるということです。

これこそが天才プレーヤーがマネージャー側になった時に陥るジレンマなのです。

つまるところ、センスが優れている人ほどマネージャー側には向き不向きが別れるということでしょう。


優秀なプレイヤーがマネージャーになるとき、どれだけできない人の気持ちに寄り添えるのか。

ここがマネージャーとしての力量が試されている部分なのかな〜と思います。

僕は天才肌ではないので、もしかしたら優れたマネージャーになれるかも?という淡い期待を抱きつつ終わりたいと思います。

上の立場に立つときにはより一層、他者視点を持つことが必要になってくるかもというお話でした。

じゃあまたね〜。





参考文献、オススメ本

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