こんにちは、心理学ライターのshinです。
いきなり突拍子もない質問をしますが、あなたは今何歳ですか?
もちろん20代という方もいれば、50代、60代の少し年齢を重ねた人もいるかもしれません。
私たちが陥りがちな思考の1つが、何か新しいことを始めようと思った時に「もう〇〇歳だから遅いな」とか「まだ〇〇歳だから早い」とかすぐに年齢を気にしてしまう傾向ではないでしょうか?
特に日本では年功序列などが重んじられていたせいか、年齢という数字に過度にこだわっている気がします。
たとえば、アメリカでは社会人になってしばらくしてから教育機関に学び直し(特に大学、大学院)にいくのはわりと普通のことなのですが、日本ではあまり見られません。
このように多くの日本人は私たちは歳を重ねるごとに、ますます凝り固まった思考になってしまう傾向にあると感じています。
もし、年齢を重ねるごとに脳がどんどん衰えて、考えが硬くなってしまっていくと思っているのであれば朗報があります。
実は、科学的な研究によって脳細胞は経験によって増え続けることがわかっているのです。
それではその代表的な研究を見てみましょう。
タクシードライバーの脳は進化していく!?
ロンドンには2万5000以上の道路があり、まるで迷路のようになっています。そんな中、確実に利用者を目的地に届けてくれるのがロンドンの名物である黒塗りタクシー「ブラックキャプ」です。
この「ブラックキャブ」の運転手になるには、この2万5000以上の道路を暗記し、そのルートを頭の中で辿れるかを試す試験を突破しなければなりません。
この試験は非常に難関であり、受験者のわずか半分ほどしか合格できないそうです。
2000年にロンドン大学の認知神経学科のエレノア・マグワイア教授は16人のこの「ブラックキャプ」の運転手の脳をfMRI(機能的磁気共鳴画像法)でスキャンしました。
すると、なんとこのタクシードライバーたちは位置把握や記憶に関わる脳の機関である海馬が一般の人と比べて肥大していることがわかりました。
しかも、海馬の肥大の度合いは運転手のキャリアに比例しており、運転歴が長ければ長いほど海馬が大きくなっていました。
さらに別の研究では、とても緻密て様々な作業を同時に必要とするプロの音楽家を脳を調べました。
研究者たちが高解像度のMRIで彼らの脳をスキャンしました。
すると、やはり複雑な作業を行わなければいけない音楽家の脳は、音楽をしない人の脳とは大きく異なっていることがわかりました。
まとめ
つまり、この2つの研究が示していることは、脳は私たちが思っている以上に変化しやすく、柔軟であるということです。
この研究の面白いところは「ブラックキャブ」の試験に合格した人はもともと海馬が大きかったのではないかという反論ができないことです。
なぜなら、研究者は海馬の大きさの度合いが運転歴に比例していたということを明らかにしています。
この事実から考察できることとしては、運転手のキャリアに比例しているということは年齢に逆らって脳機能が発達しているということでしょう。
私たちは歳を取るとどんどん脳機能が低下していき、脳細胞が新たに作られるなんて思いもしていません。
しかし、この思いこみは大きな間違いで、脳には私たちが思っている以上に「可塑性」つまり柔軟性を持っているのです。
この記事を読んでいるあなたがもし、新しいことにチャレンジしたい(たとえば英語を学ぶ)のに年齢的に諦めてしまっているのであれば、ぜひ今から始めましょう。
脳は何歳になっても変化し続けるのです。
というわけで、脳は思っている以上に柔軟で変化しやすいから、いろんなことにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
じゃあまたね〜。
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