こんにちは、shinです。
今回は自己啓発の罠について解説していきたいと思います。
あなたは「やればできる」とか「強く願えば手に入る」といったフレーズを聞いたことはないでしょうか?
これらは自己啓発のセミナーや自己啓発書でよく使われている言葉です。
実際に、自己成長やキャリアアップのために自己啓発書を読むこと、もしくは自己啓発のセミナーに行くは効果があると多くの人が考えています。
しかし、この「強く願えばうまく行く」とか「自分を信じれば成功する」といった言葉は本当に効果があるのでしょうか?
実は、科学的には多くの自己啓発は有害無益であることがわかっています。
自尊心が低い中でのポジティブシンキングは有害無益!?
心理学者のジョアン・ウッドの研究を紹介しましょう。
彼女は自分自身についてポジティブなことをはっきりと口にすることがどれぐらい有益かを調べるために実験を行いました。
この研究では、被験者の自尊心のレベルをチェックし、その後、数分を使ってその時点での考えや感情を書き出してもらい、
無作為に選ばれた半数の被験者は、ベルの音がするたびに「私は愛すべき人物だ」と言い聞かせるように求められました。
その後、すぐに被験者の楽観性や気分を見るための質問に答えてもらいました。
さて、ただ自分の感情を書き出したグループと「自分は愛すべき人物だ」と唱えたいわゆるポジティブシンキングのグループでなにか差が出たのでしょうか?
結果は非常に興味深いものでした。
もともと自尊心が高く、「自分は愛すべき人物だ」というマントラを繰り返した人たちは、そうしなかった人たちよりも楽観的でした。
ここまでは当たり前な内容ですが、面白いのはここからです。
もともと自尊心が低く、マントラを繰り返した人たちはそうしなかった人たちよりも悲観的になったことがわかったのです。
まとめ
つまるところ、否定的な自己像を持つ人は、その状況から無理に抜け出そうとすると、返って元の否定的な信念が強化されてしまうのです。
ここが世の中に蔓延るポジティブシンキングの罠です。
私たちは、「できると思ったら、できる」とか「もっと自分に自信を持て」とかそういったことを言われて育っています。
確かに、もともと自己評価が高く、ある意味ナルシシズムを感じる人たちにとって、このアドバイスは有効かもしれません。
ですが性格上、自分に自信が持てない人も一定数います。
そういった人に無理なポジティブシンキングを植え付けようとしますが、自信のない人にとっては有害でしかないのです。
私も自信のないタイプなのでこの人たちの気持ちがよくわかります。
「もっと自信を持て」とか「物事はうまく行くと思いこめ」と言われても、正直そんなことできないよ、となる(笑)。
いまだに「ポジティブシンキングが素晴らしい」みたいな風潮があるのですが、実際のところ状況やその人の性格によるわけです。
にもかかわらず、多くの上司や教育者はポジティブがいいという価値観を押し付けることが多々あります。
「ネガティブな人にポジティブな思考を植え付けるのは逆効果である」ということは絶対に抑えておくべきポイントかな〜と思いました。
意味のないポジティブシンキングにお気をつけを。
じゃあまたね〜。