心理学ブログ

Just another WordPress site

人間関係の心理学

人間関係の辛さは鎮痛剤で治る!?驚くべき「ヤバイ心理学」

投稿日:2020年7月29日 更新日:

こんにちは、心理学ライターのshinです。

前回の記事で社会的な痛み(失恋や拒絶)はどうやら身体的な痛み(こけて擦りむくなど)と類似しているという研究を紹介しました。

ということでこのSNS社会では誹謗中傷が大きな問題になっています。

それをこの研究に当てはめれば、誹謗中傷されている人たちは集団で暴力的ないじめにあっているのとほとんど同じダメージがあると思うと恐ろしい話ですよね。

すごくざっくり言ってしまえば、特定の人に誹謗中傷を送るのは、その人を直接殴っているようなもんですからね。

という話はここまでにしておいて、勘が鋭い人なら気づいているかもしれませんが、社会的な痛みが身体的な痛みとほとんど一緒なら痛み止めを飲めば社会的な痛みが治るんじゃないの?ってなります。

実はこれを実験した研究者がいるんです。

さて、痛み止めを飲むことで社会的なダメージを和らげられたのでしょうか?


正解はイエスです。

その研究を詳しく見てみましょう。

人間関係での辛さには鎮痛剤が効く!?

ケンタッキー大学の心理学者であるネイサン・デウォールと社会心理学者のナオミ・アイゼンベルガーらが鎮痛剤が社会的な痛みを抑えられるのかを調べました。

研究者たちは25人の健常者を集めて、錠剤を1日に2錠ずつ、3週間にわたって服用してもらいました。

この時、被験者のうちの半数は極めて強力である鎮痛剤として使われるアセトアミノフェンの錠剤を、残りの半数はプラシーボ(偽薬)を渡しました。


そして最終日に1人ずつ被験者を実験室に呼んでコンピューター上のバーチャルなキャッチボールゲームを行ってもらいました。

被験者の一人ひとりには、別の場所にいる2人の被験者と一緒にプレーしてもらうと伝えたが、実際にはコンピューターを使って行なっていました。

チームメイトに扮したコンピューターは1回戦では被験者と仲良くプレーしましたが、その後の2回戦では被験者だけを仲間はずれにして2人でプレーし始めました。

そしてその実験後、研究者たちは社会的な苦痛を測るための質問に答えてもらいました。


その結果、鎮痛剤のアセトアミノフェンを服用していたグループは、プラシーボを服用したグループよりも心の傷ついた度合いが低かったのです。


さらにこの実験では、実は被験者にはfMRIの装置のなかで横たわってもらいながらバーチャルゲームをプレイをさせて、ゲーム中の脳をスキャンしていました。


その結果はなんと、アセトアミノフェンを服用していたグループは社会的な拒否に対して関係のある脳の領域の活動が抑えられていることがわかったのです。

まとめ

つまり、この研究からわかることは心理的な心の痛みは身体的な痛みに対してきく鎮痛剤で抑えられるかもよってことです。

これはちょっと衝撃的な内容なのではないでしょうか?


とはいえ薬には副作用もありますし、倫理的な問題がありますのでここではオススメはしません。(やってみるならあくまで自己責任で試してください)


ここで私が伝えたいのは自分の身体や心は自分が一番わかっているという考えはまやかしであるということです。

私たちはコントロール感を失いたくないため、この事実は一般にはあまり受け入れられていません。


しかし科学の世界では人は自分のことを本当に理解するのは難しいという考えが一般的になっています。

なので、私たちは無意識下での選択が自分の心に大きな影響を及ぼしているという事実をしっかりと受け入れた方がいいのかもしれませんね。

というわけで今回は鎮痛剤って実は精神的な痛みにも効くんじゃないのって話だったんですが、これを試すときはあくまで自己責任でってことでどうぞ。



参考文献、オススメはこちら

嫌な人間関係から逃れらたいならオススメはこちら

-人間関係の心理学

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

人に行動させるにはネガティブ面かポジティブ面どっちを強調すべき!?

こんにちは、心理学ライターのshinです。 私たちはよく、人を説得するときにその行動を起こさなかった場合の損失や恐怖を煽ることをしますよね。 具体的な例でいうと、子供に勉強させようとするとき「勉強をし …

SNSのアンチは実際に人を殴っているのと同じだった!?心理学研究が明かす衝撃の事実とは?

こんにちは、心理学ライターのshinです。 このブログではよく人間は社会的な生き物ですよ〜ていう話はたくさんしていると思います。 これまで紹介した研究の中では周りの人や他人からの影響を大きく受けますよ …

人間関係をこじらせる大きな罠となる「偽の合意効果」とは!?

こんにちは、心理学ライターのshinです。 あなたは人間関係で相手のことが理解できず、コミニュケーションがうまくいかなかった経験はありませんか? 大抵の人は一度は経験をしているとは思うのですが、できれ …

「モテる人はアレを多用する!?」相手の好感度を上げる方法を心理学的に解説

こんにちは、心理学ライターのshinです。 今回は人間関係に使える心理学のお話をします。 私たちが生きていく上でもっとも必要な能力の1つが人と会話したり、わかりあったりするコミュニケーション能力です。 …

no image

影響力を獲得するための「質問」の心理学とは!?

こんにちは、心理学ライターのshinです。 私たちはよくコミュニケーションの技術についての話を聞いたり、本で読んだりしています。 コミュニケーションの本には「嘘をつかないようにしましょう」とか「相手の …