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心理学が明かす「幸せすぎる代償」が残酷すぎた件を解説

投稿日:2020年11月25日 更新日:

こんにちは、心理学ライターのshinです。

あなたの人生の目標はなんですか?

そう聞かれた時に答えはさまざまあるかもしれませんが、幸せになりたくないという人はいないですよね。

たとえば、お金を稼ぐという目標でも最終的には幸せになりたいからですよね。

結婚したいという目標を持っている人はもちろん結婚することが目標ではなくて、その先にある素敵なパートナーと我が子と暮らす幸せな夢を描いてるわけです。

このように誰もが最終的には自分が幸せになるために勉強をしたり、外見をよくする努力をしたりするわけです。

では、1分ほど立ち止まってあなたの中での最高の幸せについて考えてみてください。現実的でなくても構いません。

どうでしたか?女優さんとの結婚生活を描いた方も、ハワイの別荘のそばのビーチでくつろいでいる姿を想像した方もいるかもしれません。

こんな生活ができればどんなに幸せだろうと感じたことだと思います。

しかし、このような幸福度が異常に高い状態には思わぬ副作用があることがわかっているのです。


実は、幸福度が一定値よりも高すぎると、将来の収入が下がってしまう傾向があることがわかっています。

幸せすぎると将来の収入が減る!?

バージニア大学の心理学者の大石繁弘の研究チームが過去の幸福と将来の収入との関係について調べた研究があります。

彼らは同じ人々の1984年から1987年(過去)の生活満足度と2000年から2003年(未来)についての収入についてのデータを作りました。

この過去の生活満足度と未来の収入についてのグラフを見てみると、1980年代半ばに不幸だった人々は約15年後の2000年代はじめになるとより幸せだった人たちよりも収入が高いことがわかりました。

とはいえ、これは少しも驚くことではないでしょう。幸せな人は悲観的な人よりもたくさん行動するでしょうし、魅力的にも見えます。


しかしこのデータは驚くべき事実を示していました。

適度に幸せ(10が最高とすると7〜8ほど)な人々は約15年後に最も良い収入を得ていることがわかりました。

では、過去の幸せ度がもっとも高い人々(9〜10のあたり)はどうなってしまったのでしょう?


なんと、この「もっとも幸せだった人々」が15年後に稼いだお金は「不幸せだった人々」とほとんど変わらなかったのです。

まとめ

つまり、ある程度の幸せ(10が最高だと7〜8)は人生の成功とつながりますが、過度な幸せ(9〜10)は経済的な危機につながりかねないのです。


なぜこういった傾向が見られたのかについての考察としては、人はそもそも持続的な幸せを感じるようにプログラムされていないということがあります。

心理学の専門用語で「幸福順応」という言葉があります。これは私たちは幸せに慣れてしまうことを表しています。

進化の過程からみれば人が常に幸福であれば進化につながる食事や生殖といった種の生存のための行動を行わなくなってしまいます。

つまるところ、過度に幸福な状態は現状に満足してしまったことでお金を稼げなくなってしまったのです。


人が永続的な幸せを手に入れられないというのはなんとも残酷な話ではありますが、進化心理学ではよく言われています。

自己啓発本とかには一生幸せになれる方法みたいなのが書かれていたりしますが、あれは進化論的な考えでみると達成できないでしょうね〜。


というわけで、現時点であまりにも幸せだと感じている人(少ないとは思いますが)は将来に大きなダメージがあるかもしれないので新しい挑戦をするなどして満足しない環境を作ってみてはいかがでしょうか。

じゃあまたね〜。







参考文献、オススメ本はこちら

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-お金の心理学, 成功するための科学

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