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自分の将来はまるで赤の他人!?自己コントロールを破壊する思考の罠

投稿日:2020年10月16日 更新日:

こんにちは、心理学ライターのshinです。

あなたは自分がするべきことができなかった時に、明日ならできるだろうと考えたことはありませんか?


たとえば、夏休みの宿題がなかなか終わらないのはほとんどの人が経験していたり、または子供を通して間接的に経験していると思います。

夏休み初日にはまだまだ時間がたっぷりあるから明日からこつこつやれば、まあ1日30分ぐらいで終わるだろうと思って遊びに行きます。

そして次の日には昨日、明日から頑張ると考えていたのはすっかり忘れてまた明日なら出来るだろうと考えて遊びに行きます。そして次の日も、またその次の日も、、、

という感じで結局、夏休み最終日に夜中まで起きてなんとか宿題を終わらせるというのはお馴染みのパターンです。


ではなぜこのように私たちは今した方がいい行動をこんなにも先延ばししてしまうのでしょうか?

実は、私たちは未来の自分のことをまるで他人かのように扱うことがわかっています。

この傾向が、やらなければならないことを未来の自分に押し付けてしまい、その結果ずるずると先延ばしする原因になるのです。

人は未来の自分には同情しない!?

プリンストン大学の心理学者のエミリー・プローニンは人は自分の将来のことを他人のように考える傾向があるのではと考え、ある実験を行いました。

実験で、学生たちは自己コントロールに関する選択を行うように指示しました。

彼らは以下の3つのグループに分けられました。

グループ1:「(自分が)今日やろうと思っていること」
グループ2:「(自分が)後でやろうと思っていること」
グループ3:「他の学生がやるべきだと思うこと」

をそれぞれ選ばせました。


すると、参加者たちは現在の自分にはストレスのかからないような選択をしたのにも関わらず、将来の自分に対しては他人事のように重荷を押し付けました。


また、違うパターンでは学生たちにケチャップと醤油を混ぜた液体を飲ませるという実験も行われました。

科学の発展に寄与するとためにどれぐらいの量なら飲めるのかを、学生たちに自分自身で決めてもらいました。

この場合も一部の学生たちには数分後に飲んでくださいと伝えられ、別の学生たちには実際に飲んでもらうのは「次の学期です」と伝えられました。

そしてそのほかの学生たちには、「次に実験に参加する人はこのドリンクをどれくらい飲むべきでしょうか?」と質問されました。

さあ、この結果はどうなったのでしょうか。


このいかにも不味そうな液体をすぐに飲むように言われた学生たちは、スプーン2杯分はかろうじて飲めると回答しました。

しかし、未来の自分やほかの参加者について聞かれた学生たちは約半カップ(2倍以上)も飲めると回答したのです。

まとめ

つまり、私たちは将来の自分のことに関しては、他人のように扱い、さらに自分のできることを過大評価してしまうのです。

このように私たちは将来の自分には重荷を押し付けてしまいがちで、誤った自分への将来像を描いてしまうのです。


たとえば冒頭で紹介した夏休みの宿題に当てはめてみましょう。

人は今の自分(夏休み初日)には甘くなるので、宿題をする代わりに遊びに行ってしまいます。

しかし、未来の自分に対しては、まるで他人のように扱う+自分を過大評価する傾向があるので宿題を残しておいてもいいと考えてしまうのです。

結果は、あなたがご存知の通り毎日これが繰り返しが行われ、最終的には夏休み未来の自分(夏休み最後の日)が苦しむことになってしまうのです(笑)。

こういった先延ばしに陥らないためにもこのバイアスをしっかりと理解し、あらかじめ毎日の行動計画を決めておくといった対策を取る必要があります。


というわけで現在志向なバイアスがあることを理解して、これに陥らないように注意してみてはいかがでしょうか。

じゃあまたね〜。





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