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ダイエットや禁煙がうまくいかない科学的理由の「皮肉なリバウンド効果」とは?

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こんにちは、心理学ライターのshinです。

以前の記事で私たちの心理的な傾向として「シロクマを考えるな」と言われるとかえってシロクマのことばかりを考えてしまうという実験を紹介しました。

これはあらゆる場面で当てはまります。


たとえば、悲しいことを考えないように抑えつけようとすればするほど憂鬱になることが多くの研究で判明しています。

ほかにも自己批判的な考え方を頭から消し去ろうとした時にも、むしろ自尊心が傷つき、気分が落ち込みます。


このように、私たちは何かを避けようとしたり、禁止しようとすると、皮肉にもそれがうまくいくどころか逆効果になってしまうわけです。

しかし、更なる研究ではこれ以上の逆効果が起こることがわかっています。


実は、行動についてを考えないようにすると、余計にそのことを考えてしまうだけでなく、実際にその行動を「取ってしまう」のです。

思考を抑制するとむしろ悪い行動につながってしまう!?

ロンドン大学セント・ジョージ州の心理学者のジェームズ・アースキンはシロクマ実験に興味を持ち、この「シロクマ効果」には自己破壊的な行動の引き金になっているのではないかと考えました。

このことを調べるため、チョコレートを使った実験を行いました。

彼は参加者の女性たちを研究室に招いて、2種類の同じような味のチョコレートの試食テストを行いました。

このチョコレートが運ばれてくる前に、アースキンは一部の女性に対して、チョコレートについて思っていることを自由に話してくださいと指示しました。

別の女性たちに対してはチョコレートのことは一切考えないでくださいと指示しました。(思考を抑制したグループ)

違いを比較するため、その他の女性には特に指示を与えませんでした。


その後、実験の担当者は参加者の女性たちの前に個別包装のチョコレートが20入ったボウルを2つ置き、チョコレートに関する調査用紙を配布しました。

このとき、質問に回答するために、女性たちはどれだけチョコレートを食べてもいいという条件を与えられました。

そして研究者たちは思考を抑制する方法がチョコレートの消費量に影響があるのかを調べました。


すると、なんと試食テストの前にチョコレートを食べないようにしていた女性は、ほかの女性の2倍ものチョコレートを食べていたことがわかったのです。

まとめ

つまり、私たちは特定のこと(ダイエットなど)について考えないようにしようとすればするほど、その反動で逆に行動を取りやすくなってしまうのです。

実際にダイエット中の人のリバウンド効果は最も激しく、誘惑をはねのけようと思考を抑制しがちな人びとは、その反動に最も弱いことがわかっています。


しかし、2010年のある調査ではダイエット中の人はダイエットをしていない人よりも食べ物のことについて考えないようにしていることがわかりました。

このようなデータを見ると、ほとんどの人がダイエットに失敗する理由もよくわかります。

食べ物のことを考えないようにすればするほど、誘惑に弱くなってしまうのですから、、


これは禁煙や禁酒といった行動にも当てはまります。

タバコのことを考えないようにすればするほど、タバコからの誘惑に勝てなくなってしまうのです。

このような結果を見ていると自分の意思力だけで誘惑に勝とうとするのは愚かなんだな〜と思いますね。


というわけで、無理に思考を抑えこもうとするのはむしろ逆効果かもよって話でした。

じゃあまたね〜。





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