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行動経済学

将来の実行能力を甘く見積もりやすい!?先延ばしの心理学

投稿日:2020年10月9日 更新日:

こんにちは、心理学ライターのshinです。

やろうと思っていたことができなかったり、目標に挫折してしまう理由はたくさんあるのですが、その中でも非常に強力な理由としてあげられるのは先延ばしではないかと思います。

たとえば、ダイエットしている最中にどうしても練乳入りのアイスクリームが食べたくなったとします。

おそらく、あなたは意志の力で我慢しようとするのではなく、自分にこう言い聞かせます。

「明日からダイエットを続ければ大丈夫」と

この例はダイエットですが、貯金にしても勉強にしても、このように「明日からやれば大丈夫」と思ったことがあるのではないでしょうか?


実は人には未来を過度に楽観視する傾向があることが研究によって証明されています

人は明日になったらできるようになると考えやすい!?

マーケティング学の教授であるウィスコンシン大学マディソン校のロビン・タナーとデューク大学のカート・カールソンはこの勘違いを明らかにする実験を行いました。

彼らはエクササイズや筋トレの器具の多くがホコリを被っていることに興味を持ち、所有者が購入した時にどれぐらい利用すると考えていたのかを知りたいと考えました。

そこで彼らはあるグループに「来月は一週間に何回くらいエクササイズをしようと思いますか?」と質問しました。

別のグループには「理想的には、来月は一週間に何回くらいエクササイズをしようと思いますか?」と「理想」を答えてもらいました。


ところが、このふたつのグループの回答に差異がありませんでした。これは「実際的に答えてください」と言われた場合でも理想的な回数を答えていました。


さらに実験では、参加者に現実的な予想を立ててもらおうと「理想的な予想ではなく、自分自身の行動をできるだけ現実的に考えて予想してください」と前もって指示を与えて質問しました。

しかし、そのような指示を受けたのにも関わらず、なんと最も多い回数を予想する楽観ぷりでした。

そこで、教授らは現状を把握させようと、2週間後に実際に行なったエクササイズの回数を報告してもらいました。


すると、報告された実際の回数はやはり先ほどの予想を下回っていました。

さらに面白いのはここからで、教授たちは再び、「次の2週間で何回エクササイズをしようと思っているかを答えてください」と質問しました。


その結果は驚いたことに、1回目の回数をさらに上回る数字を答えたのです。

まとめ

つまり、一連の研究から私たちは過度に未来を楽観視しているが、実際の行動はそれとは全く異なったものになるということがわかります。

これらの結果は、実験の参加者が過度に楽観的というわけではなく、私たちにも同じような傾向があることを理解しておくべきです。

私たちは運動、ダイエット、貯金、禁煙など多くの行動を「明日にはできるだろう」と過度な楽観で先延ばしにしてしまいます。

これが私たちが陥る罠であり、その「明日」は毎日伸びていき、永遠にやってこないのがオチなのです。


では、どのようにすればこのような将来への過度な楽観性を乗り越えられるでしょうか?

行動経済学者のハワード・ラクリンが面白い方法を提唱しています。

彼の提案は、ある行動を変えたい場合、その行動自体をいきなり変えるのではなく、日によってのばらつきが出ないように注意するというものです。

どういうことかというと、たとえば今日タバコを二本吸ってしまうと明日も明後日もタバコを二本吸わないといけないルールを作ってしまうのです。

こうすることによってタバコを吸うことに重みが増して結果的に吸う量が減るのです。

なので、このように「今日ポテトチップスを食べたら、明日からずっと食べ続けなければならないけどいいの?」と自問すると効果的です。


というわけで、ぜひこの方法を使って、セルフコントロール能力を高めてみてはいかがでしょうか。

じゃあまたね〜。






参考文献、オススメ本はこちら

なぜ未来が思った通りにならないのか知りたいならこちら

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