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影響力の心理学 影響力の武器

影響力の武器を徹底解説<希少性の原理編>

投稿日:2020年5月17日 更新日:

こんにちは、心理学ライターのshinです。

みなさんは影響力の武器という本を聞いたことがありますか?

影響力の武器は心理学を学ぶ基礎としてとてもいい本であるだけでなく、人を説得するときにどのようにすればイエスと言わせることが出来るのかを解説した名著中の名著と言える心理学の本です。

相手に影響力を与えるにはどうすればいいかが詳しく書かれており、中でも人が最も動かされやすい要素が6つの影響力の武器として説明されています。

ちなみに6つの影響力の武器は、
コミットメントと一貫性
好意
権威
返報性
社会的証明
希少性

です。

しかしこの言葉の裏に隠された心理の法則を理解しなければ使える知識となりません。

そこで6つの影響力の武器をひと記事につき1つずつ徹底的に解説していきます。今回は希少性の原理について解説していきたいと思います。

人は希少性を感じるだけで実際より評価を高くしてしまう!?

私たちが普段からうすうす気づいていることではありますが、人は希少なものに対して欲しいと思ってしまう傾向があります。これを希少性の原理と言います。

実際に人は、希少性があるものに対してより価値があるとみなすことを証明した面白い実験があります。

ステファン・ウォーチェルとその同僚が行ったもので、消費者趣好研究会の参加者に瓶の中からクッキーを与えてそれを味見して評価してもらうというものでした。

このとき、参加者の半分には十枚のチョコチップクッキーが入った瓶から一枚取り出して与え、もう半分の参加者には二枚しか入っていない瓶から一枚を取り出して与えました。


たったこれだけの違いでしたが、なんとクッキーは二枚しか入っていない瓶から取り出した方が「高級感がある」などと好意的な評価を受けたのです。

さらに参加者のなかには最初に十枚のクッキーが入った瓶を与えられて、その後二枚入った瓶に交換された人たちがいました。簡単に言えば、たくさんあったクッキーが減ったのを目の当たりにしたのです。


その結果、たくさんあったのに少なくなってしまった場合の方が、最初から少なかった場合よりもクッキーに対して好意的だったのです。

まとめ

これらの研究から希少性(なくなるかもしれない)を感じるものに対して私たちは実際以上に価値があるものだと思ってしまうことがわかります。


希少性の原理が効果を高める理由は主に二つあります。

一つ目は、手に入りにくいものはそれだけ貴重で価値のあることが多いので、それ自体が入手できるかの手がかりになること

二つ目は、「心理的リアクタンス」という心理的な傾向によって説明できます。この理論は人は自由な選択が制限されたり脅かされたりするとその自由をさらに強く求めようとするというもので、なくなるかもしれないという希少性が自由を失わせ、その結果さらにそのものが欲しくなるというわけです。


さらに希少性の原理をさらに強力にする条件として

1. もともとたくさんあったものが少なくなった場合
これはクッキーの実験で見た通り、新たに量が制限されるものに対して価値を奥からです。

2. ものを他人と奪い合っている場合
競争しているという感覚は負けたくないという人を強力に動機づける性質があるからです。

これらの希少性の原理は普段の生活でも見つけることができますよね。たとえばテレビでやっているCMで「このコマーシャルを見てから30分間限定です」といった時間制限をかけたり、飲食店で「20食限り」って量に制限したりして希少性をアピールしてるってわけです。

もし通販番組などを見て焦って電話したんだけど、あんまりいらない商品を買ってしまったっていう経験がある方はなぜ買ってしまったのかが理解できたのと思います。


というわけで、限りがあるものに対しては評価が高くなってしまうよってことを覚えていただいて、なにか相手を説得したいときには希少性をアピールして見てはいかがでしょうか。

参考文献、オススメ本

より具体的な説得のテクニックを学ぶならこれ

-影響力の心理学, 影響力の武器

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