こんにちは、心理学ライターのshinです。
今回は前回の記事で取り上げた「どうにでもなれ効果」を防ぐ方法についてお話ししたいと思います。
まずは、「どうにでもなれ効果」について簡単に説明しておくと、私たちは1度、些細なことでハメを外して、落ち込むことによってさらにハメを外してしまうという傾向があるってことです。
たとえば、ダイエットをしている状態を想像してみましょう。
あなたは必死にダイエットを頑張っていましたが、あるときに余っていたピザを一口だけ食べてしまいました。
それに対して罪悪感や自分の意志の弱いと思い、結局、自分にはダイエットなんて向いていないんだと思いこみ、もうどうにでもなれとピザを全部食べ、さらにデザートまで食べました。
ダイエットは失敗どころかむしろ太ってしまいました。
このように、1度起こしてしまったミスに罪悪感を感じて、それを紛らすために結局はさらによくないことをしてしまうわけです。
ではどうすればこの「どうにでもなれ効果」を防ぐことができるのでしょうか?
実は、自分に対する思いやりや慰めをすることが効果があるとわかっています。
自分への慰めで「どうにでもなれ効果」を防ぐことができる!?
ルイジアナ州立大学のクレア・アダムズとデューク大学のマーク・リアリーという2人の心理学者がどうにでもなれ効果に関する実験を行いました。
彼らが確かめたかったのは、罪悪感によって「どうにでもなれ効果」が起こってしまうのなら、この逆(慈しみ)の感情が自己コントロールを助けるかもしれないということでした。
彼らは体重を気にかけている若い女性を集め、参加者の女性たちには以下のような説明をしました。
実験は2種類あり、1つは食べ物が気分に与える影響を調べるもので、もう1つは色々な味のお菓子の試食です。
1つ目の実験では全ての参加者に、シロップのついたドーナッツか、チョコレートドーナッツかどちらかを選ばせて、4分以内に食べてもらうように指示しました。
2つ目の実験に移る前に、参加者の半数には罪悪感が和らげられるような言葉がかけられましたが、もう半数にはなにも言葉はかけられませんでした。
その後、実験担当者たちは参加者の女性たちの前に、3種類のお菓子を用意して女性たちにお菓子を食べてその味を評価するように指示されました。
試食が終わった後、実験担当者たちはお菓子の入ったボウルの重量を計り、参加者たちの消費量を割り出しました。
さて、参加者の半分にかけられた慰めの言葉はお菓子の消費量にどのように影響したのでしょう?
お菓子の消費量を調べてみると、慰めの言葉をかけられなかった参加者のお菓子の消費量は約70グラムほどでしたが、その一方で、慰めの言葉をかけられた参加者が消費したお菓子の量はわずか28グラムだったのです。
まとめ
つまり、慰めの言葉をかけられた参加者の消費量はかけられなかった参加者の消費量よりも大幅に少なかったのです。
「どうにでもなれ効果」が起こる1つの大きな原因として一度失敗した自分を責めてしまうということが挙げられます。
そこであえて、自分に対して慰めの気持ちを持つことが「どうにでもなれ効果」の対策として非常に効果を発揮するのです。
たとえば、ダイエット中にチョコレートケーキを食べてしまったとしましょう。
一度チョコレートケーキを食べてしまったぐらいでは、ダイエットが失敗になるわけではありません。
しかし多くの人はケーキを食べてしまったことに関して必要以上に自分を責めてさらに暴食してしまう「どうにでもなれ効果」に陥ってしまうわけです。
そこで、自分を責める代わりに自分への慰めの言葉として「大丈夫、一度失敗したぐらいで自分を責めるのはよくないよ」と声をかけてあげるのです。
そうすると自分への自責の念が少し減るのでダイエットが続けられる可能性は高くなるというわけです。
とはいえ、自分に甘くなるのとは違うことをしっかりと理解しておかなくてはなりません。
というわけで、「どうにでもなれ効果」には自分への慰めの言葉を使って対処してみてはいかがでしょうか。
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