こんにちは、心理学ライターのshinです。
みなさんは誰かのスピーチで感動したり、心動かされたりした経験はありませんか?
僕のお気に入りのスピーチはdropboxの創業者であるドリュー・ヒューストンさんの2013年の卒業式でのスピーチと、スーザンケインさんのTED talksでのスピーチです。(リンクは下に貼っておきます。)
YouTubeなんかを見てみると、素晴らしいスピーチがたくさんあります。
その一方で中学校だった頃の校長先生のスピーチのように早く終わって欲しいと思うようなものもあります。
ではこの人を感動させられるかや説得できるスピーチは何が違うのでしょうか?
話し方やそのスピーカー自身の影響力などさまざまな要素がありますが、その中でも非常に大切なものの1つが感情です。
感情は相手を説得する時の大きな武器になるんです。
感動的なスピーチは脳が「カップリング」する!?
プリンストン大学の研究チームがMRI(核磁気共鳴画像法)を使った実験を行いました。
彼らは参加者にドイツの政治家のスピーチを聞かせてその間の脳活動をMRIですスキャナーで記録しました。
すると、力強い演説を聞いた時には複数の聞き手の脳がカップリングしていた(歩調を合わせていた)ことがわかったのです。
脳波がだいたい同じようなタイミングで上下しており、脳の同じ場所が活性化し、まるで同期してるかのようでした。
さらにこの研究で面白いのは、力強い演説を聞いている時は聞いている人の性別や年齢、過去の背景を問わず、同じような反応をしていたということです。
別の2004年にイスラエルのワイツマン研究所で行われた実験では映画への脳の反応をMRIスキャナーで調べました。
研究者たちが全参加者の脳活動のパターンを調べてみると、映画を見ている参加者の脳反応はほとんど同じだったということがわかりました。
なかでも映画の中でとりわけ感情を掻き立てられるシーンでは脳の30%で同期が見られ、個人の脳反応を見分けるのは難しいほどカップリングしていたのです。
まとめ
つまり、私たちの脳は感情的なシーンでしばしばカップリングすることが多く、同じような状態になりやすいってことです。
聞いていて素晴らしいと思うようなスピーチには観客を飲み込むような圧巻さがありますよね。
あれは感情をうまく揺さぶることによって観客の脳を同期させているというわけです。
感情が揺さぶられるような小説や、1人の人物の感情を繊細に描いた映画、失恋の悲しみの感情を綴った歌詞も同じように多くの人の心を掴みます。
これらは多くの人が強い感情を共有するからこそ人気が出るのです。
これと同じように相手の感情をうまく揺さぶることによって胸に刺さるようなメッセージを伝えることができるのです。
これは大勢の前でしか効果がないわけではありません。一対一の説得の時にもあなたが情熱を持って話すことによって相手の脳はカップリングするのです。
というわけで伝えたいことに説得力を出す時には淡々と伝えるのではなく、感情のこもった伝え方をしてみてはいかがでしょうか。
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