こんにちは、心理学ライターのshinです。
あなたにはこんな経験をしたことはありませんか?
あなたはダイエットのためにカロリー制限を1週間続けていて、順調に体重が落ちてきました。そんな時に、ふっと目にチョコレートのアイスクリームが目に入って食べてしまいました。
あなたは自分はなんて意志の弱い人なんだと自分を責めてしまいました。そしてそれからしばらくして、あなたはさらに近くにあったポテトチップスとケーキまで食べてしまいました。
このような経験はおそらく誰でも一度は経験したことがあるのではないかと思います。
1度目の失敗(チョコレートアイス)を食べてしまうのは多少仕方ない部分があるのですが、なぜさらに大きな失敗(ポテチとケーキ)を犯してしまったのでしょうか?
これは心理学では「どうにでもなれ効果」という名前がつけられています。
1度失敗をしてしまったことで、過度に自分を責めてしまい、「もうどうにでもなれ」とさらに大きな失敗をしてしまうわけです。
実際の「どうにでもなれ効果」についての研究を紹介しましょう。
少しの失敗が大きな失敗に繋がる「どうにでもなれ効果
ニューヨーク市立大学とピッツバーグ大学の心理学者と依存症研究者はこの「どうにでもなれ効果」を証明する実験を行いました。
この実験では18歳から55歳までの144名の成人に携帯情報端末を配布して、お酒を飲んだ記録をつけてもらいました。
具体的には、参加者は毎朝8時にこの端末でログインを行い、前の晩の飲酒についてどう思っているかを記録します。
この実験で研究者たちが最も知りたかったことは、参加者が飲みすぎてしまった翌朝にどう感じているかでした。
当たり前ですが、前の晩にお酒を飲みすぎた多くの人はひどい気分で目が覚め、後ろめたさを感じ、恥ずかしいと思っていました。
しかし、最も興味深いのはここからです。
なんと、前日の夜に飲みすぎたせいでひどく落ち込んだ人ほど、その日の晩も、さらに翌日の晩も飲みすぎてしまったのです。
まとめ
つまり、自分の行動に対して罪悪感を感じることの反動によって、さらによくない行動をとってしまうのです。
実験の参加者たちは自分がお酒を飲みすぎてしまったことに対して罪悪感を感じ、それがさらなる飲酒につながったというなんとも皮肉な話です。
序盤で書いたストーリーのように、ダイエットをしている多くの人が、ほんの一口だけチョコやケーキを食べてしまったことによって必要以上に落ち込み、その結果、「ダイエットなんてできない」と諦めてしまうのです。
この「どうにでもなれ効果」はダイエットだけではなく、禁煙にチャレンジしている人や、無駄遣いを減らそうとしている人にも起こります。
そのほかにも、連続万引き犯のように1度でも不正をしてしまうと1回も2回も変わらないだろう、と考えるようになってしまいかねません。
これらの研究からの教訓としては、最初の一歩はどれだけ些細なことでも気をつけなくてはならないということ。
そして、1度の羽目を外してしまった時に、罪悪感に苛まれるのではなく、冷静に、1度ならまだ取り返しが効く(犯罪以外)と考えるのが重要です。
というわけで「どうにでもなれ効果」の罠にはまらないように気をつけてみてはいかがでしょうか。
じゃあまたね〜。
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