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影響力の武器 教育心理学

他人に行動させるための秘訣はアレだった!?動機付けの心理学

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こんにちは、心理学ライターのshinです。


多くの人が人生で一度は経験することのの1つとして挙げられるのが教育です。

教育はもちろん、自分の子供に対してという可能性が高いですが、もし子供を作らなかったとしてもサラリーマンをしていると部下の指導があったり、先生であれば子供たちを教育します。

教育する側の非常に大切な役割の1つは、いかに子供たち(自分の子供か他人この子供かに関わらず)や部下にモチベーションを与えるかというものがあるわけです。

例えば、子供たちにどのようにしてゲームだけではなく、勉強をするように仕向けるかといってことです。

まあ自分を動機付けるのもかなり難しいですから、他の人に特定の行動を動機付けするのも難しいってのは感覚的にもわかりますよね。

ん〜じゃあ、どうすれば他人をうまく動機付けられるの?ってなるんですが、実は私たちが見逃しがちなアレが重要だってことがわかったんです。

ではアレってなんだと思いますか?

実は目に見えるポジティブなフィードバックがモチベーションを高めるってことがわかっているんです。

そのヒントとなりそうな医療現場で行われた実験を紹介します。

ポジティブなフィードバックが他人のモチベーションに左右する!?

2008年にニューヨーク州の研究チームが行なったフィードバックの効果に関する研究があります。

研究チームは病院内での手洗いの率を上げるために2年と5万ドルの予算を投じ、アメリカ北東部にある集中治療室(ICU)を研究の場所として使いました。

治療室には消毒剤や洗面台が各部屋に備えてあり、手を洗いましょうという注意書きがあったにも関わらず、手を洗う割合はとても低いままでした。


研究者たちはまず手洗いの順守率を上げるために、21台の監視カメラを設置して医療スタッフを監視員が行動をモニタリングするという方法をとりました。

監視カメラは家の防犯カメラのように隠しカメラのような扱いではなく、医療スタッフたちは監視カメラの存在に気づいている状態でした。

この結果、監視されているのを知っていながら、スタッフの中で手洗いをしたスタッフは10人中たった1人でした。


そこで研究チームは新たな計画としてスタッフが自分の行動をすぐにフィードバックされるように電光掲示板を設置し、彼らが手を洗うたびに掲示板の数値が上がっていくような仕組みを作りました。

この数値はスタッフの手洗い順守率を表したもので、スタッフの何%が手を洗っているかなどを表していました。

さあその結果はどうだったのでしょう?


なんと、この簡単なフィードバックだけで手洗いの順守率が約90%近くまで上昇したのです。


他の治療室でも電光掲示板でのフィードバックが導入されると、この結果と同じように手洗いの順守率が急激に高まったことが確認されています。

まとめ

つまり、単純なフィードバックだけで、監視されて強制されている時よりも圧倒的に効果が発揮されたわけです。


私たちは普段から、他人に行動を起こしてもらおうとするときに特定の行動を強制したり、別のご褒美(報酬)などを与えたりしてしまいがちです。

しかし、その行動を何らかの形で強制したり、別のご褒美を与えたりすると短期的には効果があるかもしれませんが長期的には続かなくなってしまいます。

一方で、この研究結果によると肯定的な行動に対してのフィードバックは、特定の行動を継続させるために永遠に繰り返す必要はないということで、これも注目すべきポイントです。


この発見を実生活でどのように使えるでしょうか?

たとえば、最初の方に挙げた子供にどのように勉強させるかという問題です。

もし、子供に勉強を好きになってもらいたいときには、時間数などでお小遣いをあげたりしてはいけません。なぜなら勉強の目的がお金に変わってしまうからです。

フィードバックの実験を利用して、お小遣いをあげるかわりに、1枚の紙とシールを用意し、1時間勉強するたびに頑張ったというシールを貼ってあげるというのはいかがでしょうか。

きっと子供たちはこの勉強ということに対して、確かなフィードバックが得られるため、もっと勉強しようと思ってくれるのではないでしょうか。

私たちが何か行動を続けるときに大切なのは、ほんの少しずつでも進んでいるという感覚なのです。

もちろんこのフィードバックは自分のモチベーションを高めたいときにも使えますよ。


というわけでフィードバックをうまく使うことによって、他人に好ましい行動を取ってもらってはいかがでしょうか。




参考文献、オススメ本はこちら

モチベーションについて知りたいならこちらがオススメ

-影響力の武器, 教育心理学

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