こんにちは、心理学ライターのshinです。
前回は子供がどのようにしてお金についての知識を得ているのかという話をしました。
簡単に説明すると基本的に、子供はお金についての知識を親の行動やお金に関する態度を観察することによってお金の知識を得ています。
ここからもわかるように、少なくともお金に関しては親の影響を強く受けるというわけです。
では具体的にどのようにお金と子供の知識を育めばいいかを紹介します。
中でも多くの親の人たちが悩むのがお小遣いについてですが、これについて調べられている研究がいくつかありますので紹介したいと思います。
将来お金に困らないために子供にお金の話をすべき!?
心理学者のエイドリアン・ファーナムが行った調査によると、低所得者世帯が子供に与えるお小遣いの対収入費は中所得世帯よりも多かったとのことです。
さらにこの調査で分かったことは中所得世帯の親は子供にお小遣いをあげる代わりに手伝いをさせることが多かったそうです。
これは中所得世帯が金銭的余裕があることを考慮すると、お金は労働の対価だということを小さい頃から教えているのかもしれないと考えられます。
全米の1500世帯を対象にした調査を見てみると12~18歳の若者の3分の2が親がお小遣いを何に使ったかを知っていると答えたそうです。
さらにこの調査での面白いポイントは、手伝いや宿題をしてからお小遣いをもらう子供は慈善団体に寄付する確率が2倍になることがわかっており、寄付する金額は世帯収入とは関係がなかったそうです。
さらに、感情的に温かみのある家庭に暮らしている子供はお小遣いを貯金する確率が高いということもわかりました。
まとめ
これらの結果をまとめると、中所得世帯は手伝いをさせる代わりにお小遣いをあげることが多く、手伝いや宿題をしてからお小遣いをもらう子供は利他主義な思考を持ちやすい、といったところでしょうか。
これをみて、じゃあ家の手伝いと引き換えにお小遣いをあげたらいいのか、と思う人もいるかもしれませんが、これは注意しなくてはなりません。
金銭によって手伝いや宿題をさせることはアンダーマイニング効果というよくない現象を起こしてしまう可能性があります。お金のような外発的な動機付けがないとそれらの行動を自発的にしようという意欲が失われてしまうのです。
では子供に対してどのように金銭教育をすればいいのでしょうか?
親ができることは、お小遣いがどこから出るのか、どこまでお小遣いを期待していいかを子供にきちんと話してそれを変えないようにすること、そして数学を勉強させてあげることです。
え、なんで数学?と思ったかもしれませんが、数学について理解している子供の方が大人になった時にお金の管理がうまくいくという調査があるのです。
これらを総合すると、子供が将来お金に困らないように親がすべきことは主に2つです。
お金についてもっと子供としっかりと話すこと
そして数学を学べる環境を整えてあげること
です。
というわけで、お子さんがいる方は是非この2つを実践してみてはいかがでしょうか。
参考文献、おすすめ本はこちら
教育している人が絶対に読むべき本はこちら