こんにちは、心理学ライターのshinです。
あなたは現在、どのような目標を持っていますか?
目標を持つことが大切だ、みたいな話は一度記事でも書きましたが、高い成果を上げるためにはある程度の目標設定が重要になってきます。
とはいえ、目標設定が難しいというのは誰もが経験することなのではないでしょうか?
そこで今回はどのような目標を持つと私たちはモチベーションが上がり、成果を出しやすくなるのかについて面白い研究を紹介しましょう。
では、どのような目標を持てば良いのでしょうか?
答えは、タイトルにもある「自己超越目標」と呼ばれるものです。
「自己超越目標」って何?となると思うので簡単に説明すると、本当にその言葉どおりで自分の個人的な利益を超えるような目標です。
「誰かの役に立つ」といったことで、他の人たちに奉仕したいという欲求を叶えるものです。
「誰かのために」が人のポテンシャルを開花する!?
このブログではお馴染みのペンシルベニア州立大学ウォールトン校の心理学者アダム・グラントは2008年にあるコールセンターを対象に研究を行いました。
このアメリカにある一流大学のコールセンターのスタッフは毎晩、学校に寄付を募る電話を卒業生にかけていました。
グラントは担当スタッフを無造作に3つのグループに分けて、全員の労働条件が一定になるように手はずを整えました。
この3つのグループでは勤務開始直前の5分の過ごし方を以下のように違いを与えました。
1、元スタッフたちが、この仕事から役立つセールススキルを身につけた体験談を読む (個人利益グループ)
2、同コールセンターで集めた奨学金を受給した卒業生が奨学金のおかげでどれだけ助かったかについての体験談を読む (目的グループ)
3、個人利益にも目的にも関係のない話を読む (対照群グループ)
そして数週間後、グラントはスタッフの成績を調べました。
その結果、「個人利益グループ」と「対照群グループ」は架電件数も募金額も同じでした。
ところが、「目的グループ」は目覚しい成果を出しました。なんと「週ごとの架電件数も募金額も」倍以上の数値を叩き出したのです。
まとめ
つまり、たった5分間だけ自分の仕事についての意義について書かれた体験談を読むことで生産性が2倍以上になったのです。
これはまさに自分が人の役に立っていると思える事による産物だと考えられます。
自分が他の人やこの世の中を向上させているという感覚がさらに頑張ろうというモチベーションに繋がるのです。
愛する人が窮地に陥っているときに普段では想像もできないような力を発揮するというストーリーは目にしたことがあるかもしれません。
あれはまさにこの愛する人を救いたいという自分の利益を超えた「自己超越目標」の力が働いている例でしょう。
私たちは自分の利益になることが動機づけられると考えがちですが、それ以上に「他者のためになりたい」とか「世界に貢献したい」といった自己を超えた目標が私たちの力を最大限に発揮してくれるのです。
とはいえ、全ての目標を人のためにする必要はありません。
ただ、目標を立てる時には自分の利益を超えたものを少しでも意識してみると、もっといい成果を出せるようになるでしょう。
というわけで目標を立てる時には他者貢献の視点を少しでも入れてみてはいかがでしょうか。
じゃあまたね〜。
参考文献、オススメ本
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