こんにちは、心理学ライターのshinです。
今回は希少性が私たちの幸福のどのような影響を及ぼすかについてのお話です。
私たちはよく目の前のご褒美をとるか、それとも我慢して将来に置いておくかについていつも悩みますよね。
よくあるのが好きなものは先に食べる派か、それともあとから食べる派かみたいなことです。
とはいえ、多くの人は「現在志向バイアス」(いまの楽しみを過大評価する)があるので目の前の誘惑に負けたり、好きなものを先に食べることが多いでしょう。
では、本当のところ、どちらの方が私たちが幸福を感じられるのでしょうか?
実は、少しの間我慢して希少性を高めたほうがより物事を楽しめることが研究によってわかっています。
禁止することで楽しみがより大きくなる!?
カナダのブリティッシュ・コロンビア大学の心理学者、エリザベス・ダンはチョコレートを使って希少さの重要性を調べました。
まず、研究者たちは参加者を2つのグループに分けました。
一つ目のグループには1週間チョコレートを禁止した
二つ目のグループには1週間チョコレートを好きなだけ食べなさいと伝えた
そして1週間が経ちました。
ダン博士はここで二つのグループに再びチョコレートを食べてもらい、「楽しい」という感情のレベルを調べてみました。
すると、チョコを好きなだけ食べていた2つ目のグループは明らかにチョコを食べる楽しみが減っていた一方で、禁止されていたグループは以前よりも「楽しい」と感じていたのです。
まとめ
つまり、私たちは少しの期間、楽しみにしていた行動を我慢することでその行動をより楽しめるようになるのです。
この例でわかりやすいのが遠距離恋愛をしているカップルでしょう。
なかなか会うことができない(我慢している)状態が続くことによって、一回一回のデートの価値が高まり、より楽しめるようになるわけです。
これを聞いてもなんだか当たり前だと思ってしまうかもしれません。
しかしこの研究からもう1つの重要な洞察が得られます。
それは私たちはいつでも手に入ると思うものに価値を感じなくなってしまうということです。
多くの人は高級車を運転した方が普通車を運転するよりぐんと楽しいと思っているでしょう。
残念ながらこの考えは事実ではありません。
ミシガン大学の調査によって「車の価値とドライブを楽しむことにはなんの関係もない」ということがわかっています。
このように私たちは良くも悪くも状況に順応してしまうのです。
より私たちの幸せを増やすためには、一瞬でも楽しみなことを我慢する、もしくは中断するというのがいいでしょう。
我慢や中断を挟むことによって順応から抜け出すことができ、より楽しい経験にすることができるのです。
お酒を一週間我慢してみる
マッサージを一旦中断してから再開する
ドラマは隔週で見るようにする(一気見しない)
このように少し工夫するだけで楽しみが倍増すること間違いなしです。
というわけで、我慢や中断を使ってより楽しい人生にしてみてはいかがでしょうか。
じゃあまたね〜。
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