こんにちは、心理学ライターのshinです。
人が判断を間違ってしまうことって結構ありますよね。にも関わらず私たちは自分は正しい判断ができると思ってしまいます。
この判断をミスしてしまう原因の1つとしてあげられるのが自分の思いこみ、いわゆるバイアスってやつです。
このバイアスはとても厄介な存在で、頭がいい人でもこのバイアスの罠には引っかかってしまいます。
そんなバイアスの中でも最も強力なバイアスが「確証バイアス」と呼ばれるものです。
この「確証バイアス」は自分の考えに合うような情報ばかりを集めてしまう傾向のことで、一方で自分の意見とは違う情報を無視してしまいます。
では実際にこの傾向が確認された実験を見てみましょう。
私たちは都合のいい情報しか集めない!?
チャールズ・ロード、リー・ロス、マーク・レッパーの三人の学者はこの手の研究をするために実験を行いました。
まず彼らはアメリカの大学から「死刑を強く支持する学生」と「死刑に強く反対する学生」の48人を選んで実験に参加してもらいました。
そして彼らの全員に極刑の有効性に関する証拠とその効果のなさに関する証拠の2つの研究結果を見せました。(*これらはでっち上げたもの)
この結果とても興味深いことがわかりました。自分のもとの意見を支持する研究結果は高く評価した一方で、異なる意見の根拠となる研究結果はそれほど評価しませんでした。
死刑を強く支持していた学生は有効性が立証された資料を評価する反面、もう一方を説得力のない研究だと主張しました。
死刑に反対していた学生は全く逆の評価をしたのです。
物事の両面を見るようになったのではなく、むしろ自分の意見を強固なものにしてしまったと言うわけです。
別の研究で脳の活動記録を調べると、なんと事前の判断とは異なったデータを見たときに脳の反応は、自分の正しさを裏付けたときよりも薄いということがわかったのです。
まとめ
つまり、私たちは自分の都合のいい情報を評価するのに、自分の都合の悪い情報は過小評価し、無視する傾向があるのです。
このようにして、自分の意見の合うような情報しか集めなくなってしまう「確証バイアス」を引き起こしてしまいます。
これは情報化社会を生きる私たちの大きな問題になりかねません。
Googleの検索エンジンはあなたのよく検索する情報からあなたの味方になるような情報ばかりが集めってしまいますし、YouTubeも同じようなアルゴリズムです。
こうなってしまえば、自分の意見に対して反対の情報が入らなくなり、ますます偏った見方をしてしまう可能性があるのです。
この偏った見方は大きな判断のミスに繋がることがあります。
「確証バイアス」を避ける方法としてはまずは自分が偏った見方をしていることを自覚すること、そして反対意見を進んで集めることが有効です。
というわけで「確証バイアス」の罠に引っかからないように気をつけてみてはいかがでしょうか。
参考文献、オススメ本
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