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心理学入門 集中力の科学

「マルチタスキング」の罠である心理現象「注意の錯覚」とは!?

投稿日:2020年11月29日 更新日:

こんにちは、心理学ライターのshinです。

今回は心理学の「注意の錯覚」という現象についてのお話をします。

あなたは自分が注意力(集中力)がある方だと思いますか?それともあまり自信がない方でしょうか?

この質問に関しての答えは様々あるとは思いますが、問題になるのが多くの人が「マルチタスク」を行っていることです。


「マルチタスク」とはものごと2つを同時に行うことで、代表例としては運転しながら通話したり、勉強しながら音楽を聞いたりといったことです。

一見すると私たちはこのマルチタスクをすれば2つのことを同時にでき、時間を有効に使える方法にも見えます。

しかし、実は2つのことを同時に行うことには重大な落とし穴があります。


実験から私たちの脳は、2つのことをうまく処理する注意力(集中力)がないということが明らかになっています。

ボールを数えていたら!?

まずは、この動画を見て白のシャツを着た人たちがバスケットボールをパスした回数を数えてみてください。

https://www.youtube.com/results?search_query=invisible+gorilla

さあ、なにかおかしいなと思ったところはありませんでしたか?

この動画の最後にもネタバラシがあったのですが、実はバスケットボールをパスしている間にゴリラが画面に出てきたのです。

あなたは明らかに場違いなゴリラに気づきましたか?


実際にハーバード大学の心理学者であるダニエル・シモンズとクリストファー・チャブリスはこの動画を使って実験を行いました。

参加者は、先ほどと同じように「白いシャツを着た学生が何回ボールをパスするか?」を数えるように指示されました。

私たちが見たように動画では白のシャツを着たグループと黒のシャツを着たグループとがパス交換をしています。

その後、研究者たちは動画を見た参加者たちに「何かおかしなことはありませんでしたか?」と尋ねました。


すると、なんと動画を見た人の約半数が画面の中心に出てきた、明らかにおかしなゴリラに全く気づかなかったのです。

まとめ

つまり、画面中央に出てくる明らかにおかしなゴリラにも気づかないほど、私たちの注意力は限られたものなのです。

この実験は心理学の分野ではかなり有名なもので、「注意の錯覚」と言われています。

私たちはあたかも自分にすごい能力があるかのように考えてしまい、自分は目の前で起こっていることを全て理解できていると思っています。

しかし実際には、注意力には限界があり、基本的にひとつの物事しか処理できないようになっているのです。


とはいえ、私たちはマルチタスクが好きなので、運転をしながらテレビを見たり、通話をしたりすることやながら勉強をしてしまいます。

たしかに、シンプルな皿洗いなどの流れ作業(ルーティーン作業)であればマルチタスクは時間を効率に使えるのでいいでしょう。

一方で、かなりの集中力や注意力を使う運転や、勉強、複雑な仕事においてはマルチタスクは大きな問題を起こしかねないのです。


というわけで、ぜひ「注意の錯覚」を理解してミスを減らしてみてはいかがでしょうか。

じゃあまたね〜。







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