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自己コントロールの心理学

「禁止」を「実行」に変えるとうまくいく!?「皮肉なリバウンド効果」対策法

投稿日:2020年10月20日 更新日:

こんにちは、心理学ライターのshinです。

少し前の記事で「皮肉なリバウンド効果」という心理作用について紹介しました。

忘れている方、もしくは前の記事をみてないよって方のために簡単に説明すると私たちは特定のことについて考えないようにしようとすればするほど、その反動で行動を取りやすくなってしまうというものです。

具体的な例を挙げると、ダイエットをしているときに食べ物のことを考えないようにしようとすればするほど、食べてしまいやすくなってしまうということです。

この「皮肉なリバウンド効果」を防ぐには禁止することを止めることが必要になってきます。

禁止しないとダイエットや禁煙はできないじゃないか、と思うかもしれませんがそうではないことが研究でわかっています。


実は、特定の行動を「やらない」と考えるのではなく、「〜する」という文脈に変えると効果があることが証明されています。

それでは詳しく見てみましょう。

「やらない」よりも「やる」を目標にせよ!?

カナダのケベックにあるラヴァル大学の研究者たちは禁止ではなく、「何を食べるべきか」に注目した独自の方法を研究しています。

このプログラムでは食べてはいけない食品のリストを配布したり、カロリーを制限したりはしません。

しかし、食品によって自分たちがどれほど健康になり、喜びを得ることができるかを強調します。

参加者にはより健康を目指すべく、運動をはじめとして、「自分自身が何ができるか」を考えてもらいます。(食べてはいけないなどとは考えない)

もっと簡単に説明すると、「やらない」ではなく、「やること」についての挑戦だと考えるようにするプログラムなのです。


この食欲を無理に抑えようとするのではなく、健康を目指そうとするアプローチは驚くほど効果的でした。

この実験で参加者のうちの3分の2は体重が減少し、16ヶ月後の追跡調査でもその減量した体重を維持していたことがわかりました。(他のダイエットでは1ヶ月ほどするとリバウンドすることが多い)

また、参加者たちはプログラムを修了したあとには、食べ物に対しての欲求を以前よりも感じなくなったと報告しています。

まとめ

つまり、食べたいという欲求を抑えて目標を達成するのではなく、健康になるというミッションを作ることによって目標を達成することができたのです。


何度もお伝えしていることですが、人は何かを禁止されると余計にやりたくなってしまう心理傾向があります。

今回の研究では、わざと禁止するという方法を取らずに健康になるという新たな考え方を生み出したのです。


おそらく、この研究結果にあるダイエットの効果が長期間続いたのは、目標を健康を追求するということに焦点を当てたからであると考えられます。

健康を追求するという目標は一時的なものではなく、ダイエットが成功した後もずっと続いていく目標です。だからこそ16ヶ月後でも体重を維持できたのでしょう。


つまるところ、「やらないこと」について考えるよりも「やること」について考えた方が欲求に強くなれるのです。

だから、あなたが止めたい習慣があるのなら、それを禁止するのではなくそれに関連した目標を達成するという「やること」にすればいいってことです。


というわけで直したい悪習慣がある時にはぜひこのテクニックを使ってみてはいかがでしょうか。

じゃあまたね 〜。









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