こんにちは、心理学ライターのshinです。
「もっとお金があったら幸せになれるのに、、」とか「お金を稼げば稼ぐほど幸せになれる」って台詞っていろんなことで聞きますよね。
もちろんお金がありすぎて困るなんてことはないですし、お金を持っていれば持っているほど贅沢ができたりと選択肢も広がります。
こういった事実から私たちの多くはお金を稼げば稼ぐほど幸せになれると直感的に感じるわけです。
とはいえ、お金を稼いでいる人でも幸せではない人もいますし、そんなにお金持ちでもないのにとても人生を楽しんでいる人もいます。
おそらく、多くの人はこれは特殊な例であって、基本的にはお金持ちになれば幸せになれると信じているでしょう。
では本当にお金があれば私たちは幸せになれるのでしょうか?
結論から言うと答えはノーです。
心理学の世界ではお金を稼げば稼ぐほど幸せになれるというのは嘘であるという研究がたくさん出ています。
お金は私たちが思っているより幸福度を左右しない!?
心理学者のエリザベス・ダンとハーバード・ビジネススクールの教授のマイケル・ノートンが行なった研究があります。
彼らが行なったアメリカ国民を対象にした調査によると、多くの人々は年収が2万5000ドル(約260万円)から5万5000ドル(約580万円)に増えれば、人生の満足度が倍増すると考えていました。
しかし、データが表したのは5万5000ドル稼いでも、2万5000ドルしか稼いでいない人たちよりも満足度はわずか9%しか増加していなかったのです。
言い換えれば、多くの人たちはお金が約2倍になると幸福度も2倍になると考えていたのにも関わらず、実際のところ9%しか差がなかったのです。
さらにノーベル経済学賞を受賞した行動経済学者のダニエル・カーネマンの研究もわかりやすいです。
カーネマンの研究ではアメリカで年収が7万5000ドル(約800万円)を越えると、それ以上お金を稼いでも日々の幸福度には全く影響がないということがわかっています。
まとめ
つまり、この両方の研究からお金は一定までは幸福度と相関関係にあるが、一定を越えると幸福度にはなんの影響も及ぼさないということです。
これは私たちの直感に反していて、驚くべき結果と言えると思います。
では、なぜお金は幸せを運んで来てくれないのに、私たちはお金持ちになるためにあくせく働くのでしょうか?
これは資本主義の影響ではないかと考えられます。
というのも資本主義は人々が懸命に働くことによって経済を発展させてきました。つまるところ、社会がそれほど働かなくていいという考えに陥ってしまえば、経済は衰退してしまうという構造になっているのです。
この結果として資本主義は社会全体に対して、懸命に働き続けることを美徳として、稼げば稼ぐほど幸せになる信じさせることで経済を発展させてきたのです。
とはいえ一生懸命働くことは素晴らしいことですし、それを否定しているわけではありません。
しかし、仕事に熱中するあまり自分を本当に幸せにしてくれる趣味の時間、友人そして何より家族との関係が修復不可能になった例にはいとまがありません。
このお金と幸福に関する研究が教えてくれることは、お金のためにだけに仕事バカになってはいけないということです。
というわけでもう一度自分のワークライフバランスを見つめて、お金のために大切なものを失いかけていないかを考える機会を作ってみてはいかがでしょうか。
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