こんにちは、心理学ライターのshinです。
前回の記事で「皮肉なリバウンド効果」という心理作用について紹介しました。
忘れている方、もしくは前の記事をみてないよって方のために簡単に説明すると、私たちは特定のことについて考えないようにしようとすればするほど、我慢した反動で行動を取りやすくなってしまうというものです。
具体的な例を挙げると、ダイエットをしているときに食べ物のことを考えないようにしようとすればするほど食べるという行動を取りやすくなるわけです。
とはいえ、多くの人はこの思考を抑制するのは効果的だと感じてしまいます。
「じゃあどうやって自分をコントロールすればいいんだ?」ってなってしまいますよね。
実は少し考え方を変えるだけで劇的に欲求に強くなる方法があるんです。
その方法とは、、欲求をむしろ受け入れてしまって行動を抑えるというものです。
実際に心理学の実験でこの効果が証明されています。
思考は止められない、なら受け入れろ!?
ドレクセル大学の心理学者のエバン・フォーマンは他の複数の研究者とともに、研究を行い、「どうにでもなれ効果」への対策法を見つけました。
彼らは約100人の学生たちを集めて「ハーシーズ」のキスチョコが入った透明な箱を渡しました。
そして彼らに対して、48時間持ち歩いて食べないようにと指示しました。
この時、彼らは3つのグループに分け、それぞれ
1つ目のグループ:指示なし
2つ目のグループ:思考を抑制する(食べたいと感じたら、食べてはいけないと考える)
3つ目のグループ:欲求を受け入れる(食べたいと感じていることを認めるが、その通りに振舞う必要はない)
ように学生たちに指示しました。
つまり、3つ目のグループは思考を制御するのではなく、行動にフォーカスした方法をとりました。
そして48時間のテストが終了しました。
思考を抑制する2つ目のグループと、行動を抑制する3つ目のグループには結果に違いはあったのでしょうか?
驚くべきことに、頭に浮かんだ考えをコントロールしようとせずに欲求を受け入れた3つ目のグループの学生たちは、チョコレートを食べたいという欲求が湧いた回数が最も少ないことがわかりました。(彼らは普段は食べ物に対して自制心がない人たちだったにも関わらず)
さらに、思考を無理に抑制しようとせず受け入れた彼らは2日間、誰一人としてつまみ食いをしなかったのです。
まとめ
つまり、思考を無理にコントロールするのではなく、欲求を受け入れることで行動を抑制することができるようになるということです。
私たちは、ダイエットしているときに食べ物のことを考えてはいけないと思いこんで、欲求を無理に抑えつけようとする傾向があります。
しかし、実際のところなにかの思考を抑制しようとすればするほど、その思考はどんどん大きくなってしまう(シロクマ効果)ので、結果的に欲求に負けてしまって食べてしまう(ダイエットの場合)のです。
だからこそ私たちは、思考や欲求を抑えるのではなく、それを受け入れる(ただし行動には移さない)ことによって目標達成率が高まるのです。
この、欲求を受け入れるプロセスはどこかマインドフルネスとも似ているところがあると言えるかもしれません。(マインドフルネスも観察が基本なので)
というわけで、悪い癖を直したいのであれば、いったん欲求は受け入れて行動には移さないという方法を試してみてはいかがでしょうか。
じゃあまたね〜。
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