こんにちは、心理学ライターのshinです。
このブログではよく人間は社会的な生き物ですよ〜ていう話はたくさんしていると思います。
これまで紹介した研究の中では周りの人や他人からの影響を大きく受けますよって話が何回も出てきました。
人間はもともとグループを作って生活をしてきたので、人から拒絶されることを極端に嫌います。
実際に私たちも拒絶とまでは行かなくとも、失恋したり大切な友達を失ったりとさまざまな社会的な苦痛を味わっています。
この痛みや絶望はなかなか辛いもんですよね。
「心が傷つく」などといった精神的な痛みを、肉体的な痛みになぞらえて例えることもあります。
これは間違いではないんです。
実は心理学の実験で社会的な痛みと肉体的な痛みはかなり似ているんじゃないかと言われています。
脳は社会的苦痛と肉体的苦痛の区別ができない!?
社会心理学者のナオミ・アイゼンベルガーらが行なった脳イメージングを使った研究があります。
この研究では肉体的な痛みには、不快な情動的感情と、知覚的な苦痛の2つの要素があり、それぞれ異なる部分と関連していることがわかりました。
衝撃的なのはここからで、肉体的痛みの感情的要素に関わっているのは「前帯状皮質」と呼ばれる部分で、なんとここは社会的な痛みにも関わっていたのです。
どういうことかというと、つまずいて擦りむいた膝の傷の痛みと、失恋した時の痛みが、脳の中で同じ場所を共有していたのです。
まとめ
つまり、私たちが感じる他人から拒絶される事による社会的な苦痛と、階段の角で小指をぶつけたの苦痛はかなり類似していたということです。
これはなんとも興味深い事実ではないでしょうか?
これらのことを考慮すると「心が傷ついた」という比喩的な表現はただの比喩ではなく、実際に脳の中で起こっていることなわけです。
これは今日において話題となっているSNSでの誹謗中傷にも関わってきます。
SNSでのいわゆるアンチは有名人に対して心無い言葉を投稿しますが、有名人からすると言葉の暴力は実際の暴力と同じぐらいの負担になるのです。
もっとざっくり言ってしまえば、特定の人にSNSで誹謗中傷を送るのは、その人を直接殴っているのと同じことであるってことです。
というわけでSNSに何かを書き込む時は、本当にその内容を送っても大丈夫なのかをしっかり考える時間と作ってから投稿するようにしてみてはいかがでしょうか。
参考文献、オススメ本
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