こんにちは、心理学ライターのshinです。
多くの人は優しくありたいと思う一方で、誰にでも優しくしていたら相手の思惑にひっかかってしまうんじゃないかと思っていると思います。
優しくありたいと思うことはとても素晴らしいことですが、相手への警戒心はどうしても親切心のブレーキにもなっていると思います。
実際に詐欺やトラブルの多くは人の親切心を利用していますし、犯罪ではなくとも普段から親切な人が利己的な人に優しさを搾取されてしまっています。
私たちは今までの人間関係で幾度となく、このような優しさのある人が自己中心的な人の割りを食っているのを見ているので、仕事や経済的に成功するのは利己的に行動する人なのだと思ってしまいます。
では、私たちがいる世界は本当に利己的な人が成功する無残な場所なのでしょうか?
これは半分は正解ですが、半分は間違えています。
やっぱり残酷な世界だ、と思った方はぜひ次の研究をみてください。
与える人は最も大きな成功を納める!?
ペンシルベニア州立大学ウォールトン校の組織心理学者であるアダム・グラントは人にお金や知識、優しさなどを与える利他的な人を「ギバー」、人から様々なものを搾取する人のことを「テイカー」、2つの中間に位置する人を「マッチャー」と定義しました。
そしてこの「ギバー」、「テイカー」、「マッチャー」のうち最も成功するのはどのタイプなのかを調べました。
160名を越すカリフォルニア州のプロのエンジニアがどのぐらい協力的かという観点で評価し、成功度と比べました。すると最も成功していないエンジニアは「ギバー」でした。
ベルギーの医学生600人以上を対象にした調査でも、成績が最も低い学生は思いやりが強く、いわゆる「ギバー」だったのです。
アダム・グラント自身が実施した販売員を対象にした調査では、テイカーとマッチャーはギバーの売り上げの2.5倍でした。これは押し売りをせずに客にとってのベストを気にかけていることが裏目に出たのです。
これらのデータから成功にもっとも遠いのはギバーとわかりましたが、では一方、で一番の成功を収めていたのは誰だったのでしょうか?
なんと一番成功していたのもギバーだったのです。
エンジニアの中で、生産性がもっとも低かったのはギバーでしたが、その一方で生産性がもっとも高かったのもギバーだったのです。
先ほどのベルギーの医学生も一番成績が低かったのはギバーでしたが、反対もギバーでした。
販売業でも売り上げのトップはギバーで、テイカーやマッチャーと比べても平均で50%も収入が多かったのです。
まとめ
つまり、ギバー(人に何かを与える親切な人)はもっとも成功に遠いのですが、もっとも成功しているのもギバーということだったのです。
なぜこのような結果になったかというと、トップギバーとボトムギバーは同じ利他的思考でも与え方(親切の仕方)に差があるからだ、とグラントは考えています。
簡単に言ってしまえば、優しい人は成功しないわけではなく、むしろ大きな成功を掴む可能性があります。しかし、このギブの仕方を間違えてしまうと一気に成功から遠ざかってしまうのです。
この違いについては詳しく記事にして説明しようと思います。
今回一番覚えていてほしいポイントは、親切なままでも成功できるよってことです。親切は最終的に自分に返ってくることが証明されていますのでまずは今日から小さな親切をしてみては。
参考文献、オススメ本はこちら
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