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行動経済学

行動経済学で人の行動を大きく変える「デフォルト」の効果とは?

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こんにちは、心理学ライターのshinです。

私たちは普段から将来のために好ましい行動を取ろうと考えていますが、なかなか行動に移せなかったりします。

たとえば、働いている人なら将来のために貯金することは好ましいわけですが、いますぐに車を買いたいと思ってしまったり、、


しかし、心理学や行動経済学の多くの研究から、ほんの少しの環境の変化によって人の行動が大きく変わるってことが明らかになっています。

私たちは実は無意識的に自分の行動を行ったりするので、こういった些細な環境の変化に左右されるわけです。

研究者はこれを上手く利用して、「デフォルト」(初期設定)を上手く使うと、普段はなかなか取り組めなかった、好ましい行動をとる人が増えるんじゃないかって仮説を調べたわけです。


すると、実はこの「デフォルト」(初期設定)が私たちの選択に大きな影響を与えていることがわかりました。

初期設定によって加入率に大きな差が出る!?

2人の研究者は臓器移植について異なる「デフォルト政策」を持つヨーロッパ諸国での臓器移植率を調べました。

国の「デフォルト政策」には基本的に2つのパターンがあって、1つが「参加方式」で2つ目が「離脱方式」です。

多くの国は「参加方式」というのを取っています。これは要するに臓器移植をしたいと考えている人は署名をしなくてはならず、署名がないとできないパターンです。

一方で「離脱方式」を取っている国では初期設定が臓器提供に合意している状況になっているので、もし臓器提供を望まない場合に署名するパターンです。

もっと簡単に説明すると、初期設定が合意していない状態か合意している状態かという違いがあったってことです。


たったこれだけの差でどれぐらいの差があったのでしょうか?


「参加方式」を取っていた国々での参加率は平均で15%だった一方で、「離脱方式」を取っていた国々の参加率の平均はなんとほぼ100%だったのです。

さらに詳しく見ていくと、「参加方式」を取っていた国での最高の参加率は30%弱なのに「離脱方式」を取っていた国の最低の参加率は85%でした。


世界調査では基本的に国によっての臓器提供についての関心はほどんど変わらなかったのにも関わらず、、

まとめ

つまり、参加方式にするのか、それとも離脱方式にするのかという取るに足らない違いが、臓器提供の参加率に約8倍もの差を生んだのです。


もしかしたら、最初から臓器提供に参加させているのはどうなのって思う方もいるかもしれません。(私も最初に見たときはそうでした)

しかし、この「離脱方式」は決して参加を強制させているわけではなく、あくまで100%自分の意思で離脱する権利があります。

にも関わらず、多くの人が参加したということは、もともと多くの人は臓器移植を好意的に捉えていたということになります。


「参加方式」がこれだけ少なかったのは自分で署名しなければ参加できないので、めんどくさいと思ったり、単純に署名を忘れている可能性があるということです。

この一連の研究から学べることは、好ましいと感じている行動を取らせるにはその行動への障害を取り除くべきってことですね。

行動経済学ではこのように好ましい行動を取りやすくすることを「ナッジ」と読んでいて政府の政策などにも使われたりしています。


というわけで、人に好ましい行動を取ってもらいたい場合はその行動を「ナッジ」してあげてみてはいかがでしょうか。

じゃあまたね〜。




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